ブニュエル映画といえば不条理劇。
この作品は不条理劇ではないですが、
甘さはないのと、ところどころのいちいち意地悪で皮肉とも思えるシーンが挿入されているところがテイストを感じさせます。
主人公の娼婦になったプロセスが、
浮気心ではなく、旦那を愛するがこそであったというのが興味深い。
歪んでる〜。
でも、もはや愛なんてすでになかったかも。
性の悦びを知って、貞淑な妻はあっという間に完璧な娼婦になってしまっていたから。
元を辿れば誰も悪くないような気がするのにみんな不幸になっていく不条理。
現実と空想の境が曖昧で、わかりにくい意地悪な構成。
ため息がでるほど美しいカトリーヌ・ドヌーヴと、おフランスの小洒落たファッションやインテリア。
後味悪いラスト。どれも完璧。
ブニュエル映画、3本しか観たことなかったけど、正直意味がわからない作品もあったし好きとは思ってなかったけど、この独特な雰囲気にハマりそう。
想像できない展開がカルト映画ぽくてたまらん。