りり

湿地のりりのレビュー・感想・評価

湿地(2006年製作の映画)
3.0
以前見た時は以下のような感想だったが、原作小説を読んでから改めて見たらまた違った印象だったのでメモ的に追記。原作は2000年、アイスランドの推理作家アーナルデュル・インドリダソンによる。日本語訳の刊行は遅れること12年後の2012年。映画化は2006年。監督はバルタサール・コルマウクル。
原作も映画自体もひと昔前のものなのと、映像の質感もザラッとしており、ちょっと古い感じはやっぱりある。しかも全編通して重苦しい雰囲気で映る景色も寒々しく寂しい感じ…初見は暗すぎて結構キツかったが、原作小説を読むとこの暗さは小説世界ありきのもので、むしろうまく雰囲気作りをしてくれたことがわかった。監督もアイスランドの人なので、勝手知ったるといった感じなのかな?主人公がテイクアウトした羊の頭を食べていたり、アイスランドの生活の様子を映画を通して見れるのも小説を読んだ後だと余計興味深かった。
 登場人物の雰囲気もみな原作のイメージに近くて、個人的には満足いく映画化作品だと感じた。ただ、タイトルの「湿地」については映画内ではあまり言及されていないので伝わりにくいのと、犯人が早々に判明する構成は、捜査の結果判明する流れとでは謎解明のカタルシスがかなり違ってくるので、ミステリー好きとしては残念だったかなー。小説読んでて、◯◯デュルって名前や地名が多くて覚えにくかったんだけど、映画だと余計わかりにくくて笑った。
これからも同作者のシリーズ小説どんどん読もうっと。

2021-10-07


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10年以上前の映画なのか…さすがにちょっと古い感じが拭えないけど、当時なら物語の中で解明される謎部分も目新しさをもって迎えられていたのかな。いくらアイスランドとはいえ、物語の雰囲気に合わせたのか寒々しい風景ばかりだったのでちょっと気が滅入った。でもハードボイルドな雰囲気のサスペンスミステリーとしていい感じにまとまっているとは思う。
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