Stroszek

悪いやつらのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

悪いやつら(2012年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

2013年韓国。英題“Nameless Gangster: Rules of the Time”。強く美しく若い極道男を、遠い親類であるというだけで欲深い大叔父が搾取する話。コネとカネと汚職にまみれた韓国社会で筋を通そうとする若頭ヒョンベ役のハ・ジョンウが素晴らしい。イクヒョンが「名分」をでっち上げてたと分かった瞬間には笑った。そのあとカチコミに出かけるヒョンベの、「仕方ない」と覚悟を決め、タバコを揉み消す仕草のかっこよさに惚れる。血縁関係は大叔父を助けるが、彼にとっては呪いのようなものだっだろう。恩を仇で返すイクヒョン。身の丈に合わない欲望を持った半端者がいちばんたちが悪い、と徹底的に描いた物語だ。
(追記) 宮史郎に似たヒョンベの子分の「意外と可愛いな、コイツ」という評価がイクヒョンの魅力を最もよく表してると思う。このチャームポイントがなかったら、あれだけ極道転がしはできないはず。たるんだ腹を晒しながら海に向かって叫ぶ無軌道ぶりや、ベロベロに酔っ払って「お前に会った途端、女に一目惚れしたみたいに、体中に電流が走ったんだ」と訴える無防備さ。つぶらな瞳で力説された「宇宙の気運が二人を包み込んでる」は、今年のベスト映画口説き文句に入れたい。オヤジキュート。
(追記2) 「シーバーラマ(クソ野郎)」に続き、「サラインネ(生きがいい」という韓国語を覚えた!
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