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晴れ、ときどきリリーのMyonのレビュー・感想・評価

晴れ、ときどきリリー(2010年製作の映画)
3.7
ハチャメチャな妹と堅物の姉…少しずつ変化するふたりの関係が眩しい。

妹リリーは頭の回路は独特だが「足りてない」わけじゃないと思う。ぎょっとするくらい的を射た発言をしたりするし。一方姉クララは優等生を演じるのに疲れている。根元の部分は結構似たもの姉妹だ。とはいえ後半までは妹は姉や周囲を振り回しまくるので、簡単に事態は好転しない。このあたりの色々とギリギリな描写が好きだが冗長にも感じた。

それらを乗り越えた(開きなおった)後の、ダイアン演じる姉の彫刻めいた硬質さがほどけていくところ。姉の隣という居場所を見つけて、妹の激情が徐々に安定していくところ。ふたりの女優さんが繊細に演じている。特にサニエの存在感はイノセントを通りすぎて詩的ですらある。

小物は無秩序にお洒落で映像も綺麗な映画だがそれだけじゃない。食べ物は割とマズそうだし終始羽虫は飛んでるし。後半リリーがハエたたきでバーンやったのに笑った。あれってハエ=お邪魔虫ってことなのかな。笑
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