ペコリンゴ

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.8
記録。
少女が恐れた核戦争の危機よりも身近な爆弾。同じ日に産まれた親友との亀裂が彼女の心を爆発させる。

画家の夢を諦め家庭に収まった献身的な母。普通の家庭に重責を感じ、自由であり続けたいと願う父。クリスチャンでありながら性に奔放な親友。
最悪の形で噛み合った歯車は多感な少女に試練を与える。

時代設定は冷戦期。人間模様の一触即発な緊張感が、かつて現実に存在した核戦争の危機とリンクするのは狙ったものだと思われ、メタファーとして上手く機能していて面白い。まだ幼い面影を残すエル・ファニングが醸し出す繊細かつエモーショナルな心情と、なんとなく冷たい全体の空気感も絶妙にマリアージュ。

いやぁ、なかなか良い作品を観させてもらいました。