クリーム

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のクリームのレビュー・感想・評価

3.7
赤毛のエル·ファニングがめちゃくちゃ可愛い。撮影当時14歳だったとか。内容は目新しい感じは無いのだけど、終盤にジンジャーの感情が溢れ出すシーンは、良かったです。
広島に原爆が投下された年、同じ病院の隣同士のベッドで生まれたジンジャーとローザ。幼なじみの親友として仲良く育ち、授業をさぼったり、宗教·政治·ファッションと何にでも興味を持ち、反核運動にも参加する。ちょっと背伸びした女子高生といった感じの2人。しかし、ローザがジンジャーの父親ローランドに恋心を抱いた事をきっかけに、2人の友情に溝が広がって行くのだった。




ネタバレ↓




小さな頃からずっと一緒で親友だと思っていた2人。片方は、核の恐怖から反核運動に参加しようとするが、片方はそれに対して祈る等、考え方の違いに少しずつ気づき、溝が生まれて行く。そこへ、ジンジャーの変態オヤジがローザに手を出した。最悪である。このオヤジ、理想主義と言う名の無責任男。しかも赤ん坊の時から知っているローザをいつからそんな目で観ていたのか、想像するとひたすらキモい。で、コイツ何かを教えているらしいが、そこの生徒の若い娘にも手を出してる様だった。
父のいないローザの心に漬け込むなんて朝飯前だっただろう。コイツ、2人の関係を隠すでも無く、ジンジャーがいてもイチャつく。気付いたジンジャーに『真実の愛には身を委ねるしかない』と言い放つ。そのくせ妻ナタリーには、言うなと頼む。マジでクズ。
怒りに震えるジンジャーはローザに年をとれば絶対に捨てられると吐き捨てる。そして、ローザもジンジャーに妊娠した事を打ち明けた。ローザは、ジンジャーに嫉妬心があったと思う。自分よりは、少し良い環境に見えたのだろう。
反核運動で逮捕され、精神的に不安定になったジンジャーが自宅に戻る。話をしたがらないジンジャーの為、母はローザを呼んだと言う。それを聞いたジンジャーの様子が一変し「絶対に言えない、言ったら私が爆発する」と叫ぶ。そしてローランドが、ローザとセックスしていると口走る。その場にいた全員が取り乱す感じが秀逸だった。ここしかない!と言う場面での暴露が良かった。ローザがお腹をさする。母がジンジャーに視線を向けると静かに頷く。このシーンも良いのですよ。そして、母はショックで自殺未遂してしまう。ローザはジンジャーに「許して」と言うが答えない。ノートに「許すよ」とだけ書く。
父とローザの関係を自分の中に閉じ込めていたジンジャーから、溢れだす本当の事。ばらし方が見事だった。そして、彼女は前向きに私はローザとは違う。あなたは目先の男だけ愛してればいいわ。可愛そうな人。私は世界を愛する事にしたのだから、あなたを含めて世界を許すわと。強く進んで行く決意の詩を書いて終わるのだった。
まあ、ただただオヤジがクソ変態野郎だったって話なんてすけどね。エル·ファニングの可愛いさを堪能する映画。後は、サリー·ポッター監督のイヤらしく繊細に暴露していく見せ方が個人的には、ツボった。
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