Bellissima

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のBellissimaのレビュー・感想・評価

4.0
『ジンジャーの朝』@渋谷イメージフォーラム

核爆弾の刃が降り注いでくると不安感が社会を包む60年代倫敦。時代だけでなく少女の心内も揺れ動き変貌していく。全てを経験しようとするならば一切を所有してはならず、気づくことは何かを失うことでもあると思い知らされる。自由とは苦みと責任が伴う。文化系女子青春残酷物語。

同じ所に立っていても視線の先は別々の場所。友との決別は人生の苦境への気づきと理解により過去を手放す。スピリチュアルな成長を遂げるべく自分の真なる部分で痛みや悲しみを溶かし乗り越えて行かなければならない。感受性強い女子の煩悶は通過儀礼を経て大人へと孵化していく。

赤毛のエル・ファニングと黒髪のアリス・イングラート主役2人が共に素晴らしく少女の発達過程に垣間見せる一瞬の輝きを身をもって体現する。少女が少女たりうるほんのわずかな時間の切り取りに成功している。揃いの服装・髪型にも注目「オリーブ」世代には何かと響くスタイリング◎

素晴らしい選曲でしたがサントラが出ていないのが残念過ぎる。でコチラでお楽しみ下さい。http://vainzine2.blogspot.jp/2013/02/soundtrack-ginger-rosa-2012.html
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