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ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のtmのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

多分万人ウケする映画ではないんだけど、個人的にはすごく好きだった。エルファニングが大好きってのもあるんだけど、世界観も暗くて映像も暗くて見えない時あるくらいなんだけど、とても好きだった。

ジンジャーとローザは生まれた日も同じで母親同士も仲のいい友人である、親友。2人でひとつだと信じてやまず、同じ服装をして、2人で笑ってくだらないことをして。
でも、一緒に育っていたと思いきや、育った環境ら全く違う。両親がいて過保護に育てられたひとりっ子のジンジャー、父親が出て行き面倒を見るべき兄弟のいるローザ。どっちが先に早熟し、どっちの心が屈折してしまうかはきっと想像に難くないと思います。それが顕著に出た思春期。同じ格好をしていた親友はどんどん大人に、女になっていきます。

核に脅かされる大きい世界と、親友と父を失う小さい世界。核反対を表現する少女ですが、思春期の女の子にとってどっちが恐ろしいことかなんて、本人には言えるわけがありません。ジンジャーが押し込めれば押し込めるほど、核反対への表現も大きくなります。

ローザは父親に捨てられたからか、貞操観念もジンジャーと異なります。「男が離れるなんて当たり前だよね」「あんな風にはなりたくない」母親に対してそう思うあまり、選ばれる女性になりたいと望んでいたのだと思います。

とりあえず主演の2人が素敵でした。エルファニングがモノクロな絵面に赤髪を揺らし、透明感のある可愛い雰囲気が、全ての表情を魅了させていました。
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