アンナ

ザ・タワー 超高層ビル大火災のアンナのレビュー・感想・評価

2.6
韓国映画っぽさと言えばそうなのかもしれないけど、冒頭から妙な日本のドラマっぽい過剰な演技とか不自然な台詞運びが気になった。

いざ事態が進行してからは、割とエグめの描写とかもありそれなりにパニックしててよかったんだけど、もう最初っから最後まで「いくらなんでもそうはならんやろ」という描写が多すぎて興醒め。

フィクションのパニックエンタメ映画なので、別にご都合的なストーリーであるのは構わないんだけど、その無理やりさをどう演出とか脚本で隠して良いものに昇華するかが腕の見せ所だと思うのに、そういう工夫もなく進むのであまりにツッコミどころが多すぎる。一回脱出した主人公がなぜか消防士の服着て消防士と再突入作戦に加わってるとか、さすがにそれは無理があるくない?一般人ですよ彼。

途中で、金や権力者を助けるために一般人を見捨てる決断が下される、反体制とか政治批判的な命の選別がされるシーンがあるんだけど、冒頭から嫌〜な描写されてた金持ちキャラが結局特に何の映画的制裁を喰らうこともなく助けられたりしてて、王道ストーリーとしての消化不良感もある。ただただ嫌なやつが助かった、というだけなので…観てる側にとっては…。相対的に悪役/体制側として描かれる、タワーの会長や、彼と癒着してる消防署長とかの処遇も描かれず終わり、消化してくれないなら下手に社会派っぽいメッセージ入れずにただパニックをやり通して欲しかった。

消防隊の描写も、なんかいちいち過剰反応したり演技が大振りすぎて全体的に登場人物の無能感がすごい。みんなパニック起こして場当たり的な行動取ってるようにしか見えない。
謎にちょいちょい挟まるコメディ?パートもまじで邪魔すぎる。ノイズでしかない。そんなことしてる暇あんならはよ逃げろとイライラするパートになってた。

ストーリーは良くも悪くもありがちな王道寄りのパニック映画なんだけど、そこも中途半端だし、仔細の肉付け部分があまりに好みに合わず&質が高くないので総合評価としては面白くなかった。誰かと突っ込みながら観れば観れないことはない。一人鑑賞だったら早々に離脱してたと思う。
アンナ

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