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ザ・タワー 超高層ビル大火災のmagic227のレビュー・感想・評価

3.8
同じソル・ギョング主演のディザスター大作で、韓国では大ヒットしたものの日本ではあまりパッとしなかった「TSUNAMI」は、前半のキャラクターの描き込み部分が長すぎてバランスが悪く、津波が来るまでに飽きてしまう嫌いがありました。しかし、この「ザ・タワー」ではキャラクターの背景描写は最低限に抑えられ、大火災に立ち向かう人々のドラマを描くことだけに力を注ぐ構成になっています。それはもう潔いくらいに徹底しており、ヒロインのソン・イェジンに至ってはプライベートの描写は一切無し!それでもキャラクターが立体的なのは、役者の演技力が行間を表現しているからでしょう。10年前に「殺人の追憶」で都会から来た刑事を好演したキム・サンギョンが、娘思いのシングル・ファザーを演じていたのも感慨深いところです。
高層ビル火災の映画というと、どうしても「タワーリング・インフェルノ」と比較されてしまうのは可哀想ですが、アクションに徹して2時間を押し切る迫力はやはり韓国映画ならでは!手に汗を握ってスクリーンを見つめながら、思う存分ドキドキできる力作だと思います。
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