ノラネコの呑んで観るシネマ

リアリティのダンスのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

リアリティのダンス(2013年製作の映画)
4.5
ホドロフスキーの幻想の故郷は、軍事政権下のチリでの子供時代。
プチ独裁者だった父は、やがて不思議な大冒険へ旅立つ。
作者のトラウマと家族の愛が入り混じり、記憶の中の懐かしい人々との束の間の邂逅は、今はもうこの世にはいない魂へのレクイエムの様だ。
しかし、この映画の哀愁に満ちたラストカット、これはなんと言うか、私にはホドロフスキーからこの世への辞別の挨拶に思えてならなかった。
彼ももう85歳な訳で、本当にそうなってもおかしくない。
やはり23年ぶりにして集大成なのかも知れないな。
まあイーストウッドとか大林監督とか、遺作ぽい作品を何本も作ってる人もいるから、願わくばホドロフスキーもそうであって欲しいけど。