Kientopp552

ゲームの規則のKientopp552のレビュー・感想・評価

ゲームの規則(1939年製作の映画)
3.0
 恐らく、J.ルノワールが50年代に撮った最良の作品は、『草上の朝食』(1959年作)であろうが、自分の父、有名な印象派の画家ピェール=オギュスト・ルノワールの南フランスにあった別荘で撮影した、この田園喜劇作品で、J.ルノワールは、ギリシャ神話的な要素を含んで、アムール神に魅了された人間が描く「コメディー」を撮っている。しかも、『エレナと男たち』(1956年作、インリド・ベリマン主演)は、自称「恋愛喜劇」であると言う。

 ことほどさように、J.ルノワール監督は、「喜劇」がお好きなようなのであるが、さて、「世紀の名作の一本」と称揚される本作は、批評で言われるが如く、本当に「喜劇、コメディー」なのか。或いは、仮にそうであるとして、本作は、「コメディー」として成功しているであろうか。実は、タイトル・ロールの中で、本作のタイトルが出たところで、本作は、「Fantaisie dramatique」と規定されているのである。「ドラマティックなファンタジー」である。とすれば、これは、「コメディー」的要素はあるにしても、「コメディー」ではないことになる。
Kientopp552

Kientopp552