ダイナ

セブン・サイコパスのダイナのレビュー・感想・評価

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)
4.1
脚本執筆に息詰まった主人公を助けようと画策する友人。その手段が新聞広告でサイコパスを募集し、モノホンのネタを仕入れよう!というあたおかなアイデアで、あっという間に主人公の周囲に多様なサイコパスが集まってきてさあ大変!というマーティン・マクドナー監督の…ジャンルはおそらくコメディに分類。

マクドナー監督作を一作でも見た人ならなんとなく察しがつくかもですが、良い意味でも悪い意味でも「思ってた展開に真っ直ぐ進まない」。セブンでサイコパスぞ?こんなかっこいい横文字並んでるのに?…普通に多くの人が期待する展開外してくるんですよねー。エンドロールに考える時間が欲しくなる辺りの「この余韻どういう感情よ?」みたいなのはポンジュノ作品見た時のような微妙な複雑さ(個人的には飲み込みやすさは向こうに軍配が上がる印象)。

監督はタランティーノに影響受けているとのことで、本作はそのエッセンスかなり感じる一作です。カラッとしたフランクな会話劇はタランティーノの切れ味を感じるし「因果応報」に重き置いてる所なんか凄い共通項感じます(改めて思うとタランティーノ作品もマクドナー作品も復讐と因果応報多くない?)。世間の評判が期待外れ的な印象が多いのは普通に分かるんですが、個人的にはかっこいいショットの数々にテンポのいい会話劇にブラックユーモア、捻くれた展開のあらゆる要素がツボで楽しめました。なんだかんだ書いたものの、我々が潜在的に願望している王道から外れていった先の決着が好きなんです。

監督が北野武映画ファンとのことで本作にその要素が出た時はクソキモい笑顔でうんうん頷きながら鑑賞しましたが本作の評価とは切り離しております。
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