いはん

セブン・サイコパスのいはんのレビュー・感想・評価

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)
4.0
さて、今日も今日とてコリンファレルの沼から抜け出せない私は、なんの迷いもなくコリンファレルの未鑑賞作品をクリック。マーティンマクドナー監督(この監督、コリンファレル好きすぎな!)で、サムロックウェルも出演してる本作品を見逃していたことにまずは衝撃を受けましたね。

相変わらずのブラックユーモアっぷり。でも皮肉るだけなら三流監督だってできる。マーティンマクドナーの作品が素晴らしいのはそこにきちんと問いと救いがあるから。暴力をうまく使う監督を私は一番リスペクトしている。暴力の持つ危うさと必然さ、憎悪との間に固く結ばれた輪廻の関係がスクリーンに映し出された時、私たちは何を思うか。そういう問いを映画から受けていたように思う。その真面目な真意をひた隠すためのおふざけが私はどうしても欲しくなる。その具合をうまく掴めるのがまずは第一歩。次に重要なのは正解を提示することでも、徹底的に突き落とすことでもない。多様な観客が多様な救いを得られるためのtipsを散りばめられるかどうかだ。この監督がそれな信じがたいほどに上手いし、崇め奉りたいほどにキャスティングセンスが良いのだ。
いはん

いはん