安堵霊タラコフスキー

マチューの受難の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

マチューの受難(2000年製作の映画)
2.0
カロリーヌ・シャンプティエの映像が所々良かっただけの退屈な映画

最初にマチューが主役だからという浅はかな理由しか考えられないマタイ受難曲の使用された時点でもう印象が悪かったのだけど、この映画から60年以上も前に撮られたゲームの規則より格段に見劣りのする狩りのシーンや30分経っても映像的面白さの一切感じられない拘りの無さにと、ほとんど見所の見出せない作りに終始冷めた目で流し見していた

本当ならつまんないと判断した時点で見切りをつけるところをこれ以降見る機会もそんなにないだろうということで一応最後まで見たが、50分くらいにあったルーレットの場面もこれまた40年近く前に作られた天使の入江に劣る平板な演出となっていて、そのルーレット以降そこで出会った女とのほぼバストショットばかりの会話が続いて、折角の良い撮影が宝の持ち腐れになっていた様には最早呆れてしまった

監督のグザヴィエ・ボーヴォワはカンヌを受賞したこれ以前の作品も大して映像に拘りのなさそうな描写ばかりで、神々と男たちがそこそこ良かったのはただの偶然だったのではとすら思ってしまう