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42〜世界を変えた男〜のkuronoriのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
4.0
…最初に言っときます、すいません!

えー、何を隠そう私は帽子好きでして。
映画ファンの御多分に漏れず、キャスケット、ハンチング、コッポラ帽系の帽子を買い漁っておりました。
ゴッドファーザーPART II」のロバート・デ・ニーロや「怒りの葡萄」のヘンリー・フォンダ、「ヘッドライト」のジャン・ギャバン、「ニュー・シネマ・パラダイス」の皆さん、等々。また映画監督でこの系統の帽子をトレードマークにしている人も多いわけで、黒澤明然り、渡辺邦男然り…。

ところがであります。
ここにきてローキャップのブームがやってきたんですね。
ローキャップって何じゃ?とおっしゃる方もいるかもしれません。ローキャップってのは、べースボールキャップのクラウンがローな奴のこと。つまり野球帽で山が低いというかカブりが浅いというか、そういうタイプのものですね。これを「あ、ちょっと出かけにコレがあったんでつい被って来ちゃったんですよ。あんまりファッションとか気を使ってないんで。お洒落してるわけじゃないんですよ、いやほんと。」というようにひょいと軽く引っ掛けてファッションのハズシに使うのが流行りだした。決めすぎのファッションにしない、こなれた雰囲気を引き出せるアイテムとして流行り出したんですよね。
ところが、私はこのローキャップが絶望的に似合わない(笑)。
コレが悔しい。
でも経験則的に知ってるのが「似合わないとはいえ、本人が思ってるほど他人は絶望的とか思って見てるわけではないこと、似合わないポイントを見極めて工夫するのと、見慣れるのとで、なんとか出来る可能性がある」ということ。
そんなわけで、「キャスケットからベースボールキャップへシフトしよう悔しいから作戦」が始まったわけです。
なんでしょうね。もともと流行りでキャスケットかぶってたわけじゃないのに。

野球帽を漁りだして、ふと思い出した。
(…そういや俺、若い頃ブルックリン・ドジャースの帽子を探してたよな!?)
ところが、これが何でブルックリン・ドジャースだったのかよく思い出せない(笑)。
同じニューヨークにある王者ヤンキースに対して、下町ブルックリンにある庶民の球団ドジャース…という構図が好みだったのか?
今はもう無い球団(いや、ドジャースはロサンゼルスに移転して、まだあるわけですが(笑))ってのにロマンを感じてたのか?
それとも…メジャー・リーグで初めて黒人を選手としたチームってところが気に入ってたのか???

本作は、想像でしかわからなかった、当時の本拠地エベッツフィールド球場やそこに集う人々の風情を鮮やかに再現してくれています。
あまり言及されないけどブルックリンの「三丁目の夕日」的な側面も少しだけあるように思います。
出てくるユニフォームのキャップに描かれる青地に白抜きの"B"のマークは、Bの穴が丸い初期型のマークのように見えます。私の手に入れたのはみな穴がひしゃげたハート型の後期型のものです。

やっと映画の話になった…と思ったあなた、申し訳ない(笑)。

ローキャップから始まったベースボールキャップの流行りは、ローキャップ以外の様々なタイプのBBキャップへと拡がって行っています。トラッカーキャップやジェットキャップなどです。
その中に昔からストリートファッションやアメカジファッションのアイテムとして好まれているニューエラの59fifty(フィフティナインフィフティ)という帽子があります。これがニューエラというメーカーがメジャーリーグの球団へ収めている、正式な試合に使われるキャップなんですよ。
59fiftyには主に二種類あります。
大谷翔平がカブってるのが通常の59fiftyですね。山が高くて出荷時はブリム(つば)が真っ平らです。ストリート系の人はこのつばを曲げずにそのままカブる人が多いです。
もう一つは、山を低くしてローキャップ寄りデザインにしたLP59fiftyで、こちらは出荷時からツバがカーブしています。イチローがカブってたタイプといえば、なんとなくわかっていただけるでしょうか。
59fiftyは後ろにサイズ調整がないかわりに約一センチ刻みに幅広いサイズ展開が用意されています。超小顔の人から超大顔の人まで自分にあった大きさのものを手に入れられます。ただ問題は、ほぼ手作りなんで同サイズでも結構個体差があるんですよ。
帽子ってのは基本カブってみないと似合う似合わないがわからないもの、さらに個体差ありだと…。首都圏の人はお店に行けば試着できますけど、地方在住は辛いですよ。ましてや現行球団ではないブルックリン・ドジャース。なかなかあるものでもない。ネットで見かけたら度胸一発で通販で買ってみるしかない(笑)。
結果、サイズがちょっと合わなくて気になったり、LP買ったら似合わなかったり云々と、今一なブルックリン・ドジャースキャップが何個も…。
で、今年の4月。
「まてよ、もうすぐジャッキー・ロビンソンディだよな…。」
映画のラストでも言及してましたが、4/15はジャッキー・ロビンソンがメジャー・デビューした日でして、この日はどのチームの選手も全員42番の背番号をつけてプレーするわけです。
そして、ニューエラは毎回ジャッキー・ロビンソンディにあわせて、記念のブルックリン・ドジャースキャップを発売するんですね。
ホントは記念キャップでないのが欲しかったのですが、この際それでもいい!
と、網を張ってたら出ました!RC59fifty!
RCってのはレトロクラウンってことで、要は昔の帽体風の作りにできてる59fiftyってことです。
うわ、もしかしたら数作ってないかも…と、即座に自分のサイズをポチりました。(ワンサイズ上にしようかメッチャ迷った)そしたら翌日には自分のサイズ周りのは完売。間一髪で手に入りましたRC59Fiftyのブルックリン・ドジャースキャップ!
(…案外似合うじゃないか…)
これにてブルックリン・ドジャースキャップ集めはめでたく終了!
…と思ったら、これウールじゃん!?素材まで昔風になってるのか!
これからのシーズンこれじゃ駄目だ!夏用のブルックリン・ドジャースキャップがないと!

…終わんないですな。
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