うえびん

42〜世界を変えた男〜のうえびんのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
3.7
ヒーロー

2013年 アメリカ作品

3ヵ月前、神宮球場でヤクルト対広島の開幕カードを観戦した。WBCでの侍ジャパンの優勝の余韻が残る中、村上選手など、間近で観るプロの選手たちの真剣なプレーに胸が踊った。

小学生の頃から、野球が大好きだった。父親の影響から、当時は地味で人気のなかった広島カープのファンだった。山本浩二や衣笠祥雄がヒーローだった。黄金期は、野村謙二郎、前田智徳、金本知憲、江藤智、ヒーローだらけの無敵の打線。広島市民球場でスクワット応援したことは、今でも忘れない。

メジャーリーグで活躍した日本人は、野茂英雄、松井秀喜、イチローが印象に残っている。1987年にヤクルトで活躍したボブ・ホーナーに『地球の裏側にもうひとつの野球があった』という著書で、日本のプロ野球がけなされたことを思い返すと、現在のスーパーヒーロー大谷翔平の活躍には、日々、胸のすく思いだ。

野球(ベースボール)のことを考えると、思い浮かぶ、いろんなヒーローたち。アメリカ人のもっぱら黒人の人たちが思い浮かべるスーパーヒーローは、本作の主人公ジャッキー・ロビンソンなんだろう。その所以がよく分かる、裏で支えた人びとの功績も。ベースボールの試合で戦うだけでなく、社会の差別や偏見との戦いのほうが壮絶であったことも。メジャーリーグの開幕戦での国歌斉唱のシーン、初めてスタメンに並んだジャッキーの表情と態度が印象深かった。

日本でもアメリカでも、野球(ベースボール)には、少年たちに夢を与えてくれる多くのヒーローが現れる。

ドジャースのGM、ブランチ・リッキーを演じるハリソン・フォード。『インディ・ジョーンズシリーズ』『逃亡者』『刑事ジョン・ブック目撃者』、彼が主人公を演じた映画を、多感な時期に心躍らせて観たのを思い出した。彼もまた、僕の心の中のヒーローだ。
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