リッキー

42〜世界を変えた男〜のリッキーのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
4.2
1006本目。20190425
今年も4月15日の「ロビンソン·デイ」に、メジャーリーガー全選手が背番号「42」をつけてプレーをしました。どうしてこの番号が永久欠番かを思い出した私は、本作を無性に鑑賞したくなりました。

現在のアメリカ·プロスポーツ界では、黒人のプレイヤーが大活躍、というか、もはやチームの主力になっています。しかし、 1940年代のメジャーリーグでは有色人種排除の方針を採用していました。そんな黒人差別の壁を乗り越えて、新たな歴史を切り開いた1人のメジャーリーガーの実話に基づく作品です。

ニグロリーグで大活躍していた主人公ジャッキー·ロビンソンをスカウトしたドジャース会長のブランチ·リッキー役のハリソン·フォードが好演していました。
はじめは人権よりもビジネス色が強く、黒人を登用してまでもチームを優勝させたいのかと思っていましたが、物語が進むにつれて彼がなぜ会長は黒人にもチャンスを与えたのか、その真意がわかり、胸が熱くなりました。

わずか2時間たらずでは主人公の苦労を語り尽くすことはできないことでしょう。同じ人種が存在しない社会で孤軍奮闘する彼が、どれだけ心細く不安であったか想像に難くないです。それでも彼は会長の教えを忠実に守り、心に残るプレーをすることで、チームメイトやファンからも徐々に理解されるようになります。やはり実力を発揮できると説得力を増し、人々の心を変えることもできるのだと考えさせられました。

野球を題材にした作品ではありますが、1人の男が野球界を変える偉業を成し遂げる話なので、野球のルールがわからなかったり、野球には全く関心がない方にも十分楽しめる、お薦めの作品です。

余談ですが、 日本のプロ野球で「助っ人」と呼ばれる外国人が希望する背番号は、「42」と「44」が多いそうです。「42」はジャッキー·ロビンソンが付けていた番号で、黒人選手にとって憧れの背番号です。「44」はホームラン数755本の記録のハンク·アーロンがつけていた番号です。彼は王さんが記録を更新するまでの世界記録保持者で、今もなお打者達の憧れの選手のようです。
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