Eike

アウトランダーのEikeのレビュー・感想・評価

アウトランダー(2008年製作の映画)
3.1
ヴァイキング版「ウルトラマン」かな。

西暦709年のノルウェイ。
宇宙船のクラッシュによって地上に降り立ったケイナン(J・カヴィーゼル)は逃走した凶悪なエイリアン、ムーウェンを追ってヴァイキングの地へ。
ムーウェンの攻撃により壊滅的な被害を受けた地元の村でヴァイキングたちに捕えられたケイナンは命をかけて彼等と共に凶暴なモンスターと戦うことになるのだが・・・。

異色のSFアクション大作…のはずがスケジュールの遅れやあれやこれやで難航した末に結局ひっそりと完成した不遇な作品。
当初予定されたNZロケも結局カナダに変更となり、肝心の凶悪モンスターもCGの出来がかなりしょぼい出来で予算面で苦労したことが察せられます。
デジタル映像技術の進歩が著しい昨今、見劣りする点は否めずSFファン以外にアピールするのは難しいかもしれません。

とは言え、それほどひどい出来の作品と言う訳でもありません。
ジム・カヴィーゼルは相変わらず生真面目で面白味に欠けますが演技面は手堅いですし、ロン・パールマン(「ヘル・ボーイ」)やジョン・ハート(こっちも「ヘル・ボーイ」)といった共演者にも安定感があります。

ヴァイキングとエイリアンという異色の組み合わせはオリジナリティがあって悪くないですね。
ただ、宇宙人ケイナンとヴァイキング達との交流や村の美女とのロマンスを含めて展開があらかた読めてしまうのがチト辛いところ。
その分、もう少しSF的なガジェットを見せるなりして工夫があったらなぁというのは高望みでしょうかね。
ただ、予定調和であったとしてもちゃんとツボは押さえられた作品になっております。
約2時間と少々長めの作品ではありますが退屈することはないのではないでしょうか。
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