うにたべたい

幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形のうにたべたいのレビュー・感想・評価

4.3
東宝製作の特撮恐怖映画「血を吸うシリーズ」の1作目。
このシリーズは東宝特撮というよりも古い怪奇映画なので、最近アマプラのPrime枠にきたことは気づいていたものの、なんとなくスルーしようと思っていたのですが、各所のレビューを拝見して視聴を決めました。
視聴してみて、最初の"特撮映画じゃないでしょ"という感覚は正しかったですが、想定していたよりも恐怖映画していて、面白かった。
見てよかったと思いました。

日本に帰国し、婚約者「野々村夕子」に会うため実家を訪れた「佐川和彦」は、夕子の母から、夕子は車の事故で他界したことを告げられる。
それが信じられない和彦は夕子の家に泊まるのだが、夕子の幻覚を見て、そのまま行方不知となる。
和彦の妹「佐川圭子」は、兄の行方を探すため恋人の「高木浩」と、夕子の実家を訪れるのだが、という展開です。
なお、ストーリー上のキーアイテムとして人形は出てきますが、血を吸う人形は登場せず、そもそも吸血要素があったかというと微妙な気がします。
本作は製作の田中文雄が、ハマーフィルムのドラキュラ映画を参考に作ったという経緯があり、日本版吸血鬼を目指したのがタイトルに現れたのかなと思いました。

特撮映像を駆使したグロいシーンなどはほぼ無く、雰囲気で怖がらせる系の映画ですが、これが結構驚かせにきます。
夜一人で寝る前に見たら普通に暗いところが怖く感じました。
シナリオも、ただの不思議な話では無く、一応説明がつけられています。
ラストで夕子の母がすすり泣くシーンでは、非常に切ない気持ちにさせられました。
タイトルやスチールからは、ほのかなB級臭が漂っていますが、内容は非常に真面目で、素晴しいできでした。
いやぁ、とても面白かった。
2作目、3作目も見る予定です。