現代アートの世界で磁器の男性用小便器を横に倒し『泉』と名付けたマルセル・デュシャンや、演奏しない4分33秒間を『4分33秒』という曲名にしたジョン・ケージの作品に接したような気持ちになる。
観客が透明人間になって見るトゥルーマンショーというか、固定カメラがいくつも家の中にあるユーチューバーの生活、家事(洗い物、料理、風呂掃除、等)を覗いているような、
普通の映画ならカットするような場面が延々続く。
何を見せられてるのか、時々疑問に思って、周りのお客さんを観て、なんだかシュールな気分になる。
孤独のグルメの井之頭五郎なら「こういうのもあるのか」と呟くような映画だった。
映画とはこういうものだという固定観念を壊してくれる映画だと思います。