那須妙子

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンの那須妙子のレビュー・感想・評価

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やっと見れた。すごいよかった。
DVD出るかなぁ。

じゃがいも茹で直すとこも、コーヒー捨てるとこも、お気に入りの席に先客がいて居心地悪くて帰るとこも、同じボタン探し回るとこも、他人と思えなかった。
金の扱いが乱雑なところも(職業によるものもあると思うけど)。
いつもの自分みたいな人(いや、超美人だから、ドリームだな)が流れていく感じ。

飾り棚まで掃除するジャンヌは偉大。

いもを茹でながら客取るのも、いいアイデアだと思った。別にいいんだよ、自分が分かってりゃ。
ただ、おかしくなる理由もなんとなくわかる。

反復してるようで微妙に見せ方が違ったり端折ったりしてて飽きない。ジャンヌが去った後、ちょっと長く撮るとこがアクセントになって見ていられる。ずーっと座ってるとこは目が滲んできたけど……。カメラ固定なのにねぇ。才能。


ジャンヌは子どもを犬みたいに扱う。お犬様。子育てで自分は素面でいられるかな、無理だろうなと思った。


欧州って、主食はじゃがいもなんだ、パンじゃないんだよ、って知り合いのシェフが言ってた通りだと思って見る。
フラマン語。


もし女だったら好きじゃない男とはやれない、あんた女じゃないから分かんないでしょ。
自分の部屋には誰も入れない。
アケルマン自身も誰も入れない。
おくびにも出さない拒絶。
ここも共感。でも、私にはできない。
アケルマンが羨ましい。














以下、ネタバレ




赤ちゃん殺すかと思った

客への苛立ちを映すシーンのディルフィーヌ・セイリグが異常に美しかった。狙ったな、アケルマンなら狙って撮れる絵だと思う。

贈り物開けてウキウキしてる時に来た上に、お作法もなってない客だから殺したんだと思う。早く服着て帰れよ、って滲み出てた。他者の逸脱が度重なり、殺しにいく。ラストの、あーあって感じも含めてすごくわかる。わたしに狎れるな
那須妙子

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