ともしび

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのともしびのレビュー・感想・評価

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寝てしまいそうなほど退屈に思えるこの日常が、1番の狂気であったと、もう巻き戻せない段階に来てから悟る。

全ては収まるべきところにおさまる。
この秩序から外れた途端、生活の歯車が少しずつ狂い始める。

ルーティンを崩すのは簡単で、一度それを崩すと、もう完全に前の状態には戻れないと知っている。
常に"向こう側"という選択肢が目の前に用意されている、この緊張感と苦痛。まやかし。

だが、この秩序自体正しいのだろうか。早く解放されたいという想いが、無視できない程に鳴り響く。溢れ出てから知ることの出来る限界。

病気になる前に仕事を辞めるのは難しい。早く解放されたい!