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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのturuのレビュー・感想・評価

4.5
息の詰まる抑圧感。ホラーかと思うようなゾワゾワと不穏を随所に散らばせて、淡々と、しかし神経症的なジャンヌの日々の家事のルーティン。
数々の家事描写で、私はジャケットのボタンを執拗に探すシーン、コーヒーを何度も飲み直すシーン、カフェに入ってコーヒーを飲まずに出てしまうシーンが特にゾワゾワした。

家事と性労働がジャンヌの役割。(それは50年経った今も多くの女性がその役割を背負ってる)そんなシステムに組み込まれた女性が壊れていく話はままあるけれども、こんなに緻密で静かに壊れていく様はこの作品が最初で最後なのでは。

何がすごいってこんな作品を作ろうと思い、そして作ってしまう24歳のアケルマンがすごい。
決して好きにはなれないけれど、こんな映画体験は他では決してできない、唯一無二のすごい作品であることは間違いないと思います。

いやー、すごかった。
しかし息子はもうちょっとなんか手伝えよと思っちゃった
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