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エヴァの告白のENDOのレビュー・感想・評価

エヴァの告白(2013年製作の映画)
4.0
原題は移民。ポーランド、カトヴィツェのシレジアからアメリカに亡命してきた姉妹。ドイツ国境に程近いドイツ系住民によるポーランド系住民への迫害が激化するにつれて、ドイツ人至上主義に反発したポーランド系住民の民族意識が高まっていき、シレジアのポーランド領への併合を求める住民による武装大蜂起が3度も発生していた時期だ。
妹は肺病で入管から出られず、売春斡旋業者のホアキンに見初められて、肉体的にも精神的にも搾取されるコティヤール。直接関係を持たない分、その精神的な拗らせは見るに耐えない、代償的ハラスメントの連続。ツラい。最も軽蔑する者に頼らなければならない現実。教会の告解場で内容を盗み聴きするとか本当に気持ち悪い。救いとなるはずのレナーもその日暮らしで女にだらしなく、信用ならない。八方塞がりな人々しか出てこないメロドラマだけど、豊かな撮影は往年のハリウッド映画の豊かな画面。それだけで嘆息。グレイは家族の話しか描かないが、バナナの食べ方を知らずに皮ごと口に含んでしまう、その実話を元にした演出の積み重ねが誠実であるといつも思う。
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