MasaichiYaguchi

すべては君に逢えたからのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

すべては君に逢えたから(2013年製作の映画)
3.4
本作では、一日100万人以上が利用し、2014年に開業100周年を迎えた東京駅を舞台に、夫々様々な想いを抱えた男女10人の群像劇が繰り広げられる。
映画「ニューイヤーズ・イブ」を彷彿させる群像劇は、玉木宏さんと高梨臨さんの「イヴの恋人」、木村文乃さんと東出昌大さんの「遠距離恋愛」、本田翼さんの「クリスマスの勇気」、市川実和子さんの「クリスマスプレゼント」、時任三郎さんと大塚寧々さんの「二分の一成人式」、そして倍賞千恵子さんと小林稔侍さんの「遅れてきたプレゼント」という6つのストーリーで構成されている。
初めこれらの話は関係の無い独立したもののように感じられたが、映画が進むにつれ、思わぬところで繋がっていく。
朝晩の通勤時間帯は多くの人々でごった返す東京駅だが、旅立ちや帰郷等、出会いや別れのドラマが毎日繰り広げられるターミナルなので、この作品に描かれたような運命的な邂逅や奇跡もあるかもしれない。
一本の映画に6つのストーリーを詰め込んでいるので、交錯しているとはいえ、一つ一つの話にはそれ程の深みは無い。
だけど、遠く離れた所にいる恋人、偶然巡り会えた運命の人、そして掛け替えの無い家族、このような「大切な人」を想う気持ちは、6つのストーリーから共通して伝わって来る。
この作品を観て初めて知った東京駅の「白いワシ」の存在。
昨年も12月14日から25日にかけて、東京駅丸の内駅舎から皇居外苑へ続く通りで「東京ミチテラス」が開催された。
東京駅駅舎で頭上高く舞う「白いワシ」たちは、この光の祭典に向かう恋人たちや家族の幸せを見守り続けているような気がする。