笹川パンダ

アイスの笹川パンダのレビュー・感想・評価

アイス(1970年製作の映画)
3.8
映像から立ち昇る生々しさは、概ね三つの点から成り立っている。しかし、結局は推測でしか語りえないが。記事などがあればもう少し分かるだろうが、推測が見る目を養うのだと信じているので、外れていても問題はない。
1. 人々の振る舞いが普段の振る舞いと大きく違わないであろうこと。職業俳優の訓練された演技とは違うこの身体の振る舞いは、普段通りの彼らに近いからである。
2. ロケーションが本物であること。おそらくほぼ無加工だろうと思う。部屋が極端に狭く撮影に向かないからだ。
3. カメラの動き。カメラも準備されたものを撮っているというよりもたまたまこうなったという様子を追っているショットが多い。フォーカスが完全に遅れていたり、フォローがまるで追いつかないこの不完全さ。またショットを不必要に切らずに時間を維持していることも重要だろう。
笹川パンダ

笹川パンダ