オルテンスは南極の基地でコックをしています。しかし、取材に来た記者に大統領の料理人をやったことを聞かれたことから回想し、という話です。
最初の場面が南極基地なので、こんな場所に大統領が来るのかと驚いてしまいます。なぜオルテンスが大統領の専属に選ばれたのか、南極に来たのか分からないし、オーストラリア人が取材している理由も分からないまま話は進んでいきます。
大統領専属のシェフになってからは、もともといたシェフから嫉妬されてしまいます。厨房のシェフは納得しない人事だったのか、女性だからというのもあるのだろうかと考えをめぐらせます。大統領は雲の上の存在だけど、同じ人間だということも感じます。
オルテンスは大統領との会話を通じ、信念を持って、味にこだわって誇りを持って料理を作ります。でも食の健康に関する無知のこと、コストのこと、人間関係が障壁になってきます。でも、正直どっちが間違っているとも言えず、考え方、価値観、理解のずれをオルテンスとエリゼ宮から感じます。
田舎から出て来たオルテンスにとってエリゼ宮の作法や求められることは息苦しいです。特に、自分の作った料理を大統領が食べている様子を見ることができないのはシェフとして物足りないでしょう。
最後に解決しないことが多く、オルテンスのみ知ることが多いです。ただ、語られることはありませんが、南極の基地での食事シーン、最後のお別れパーティが印象的でした。
フランス料理や調理方法、食材などはよく分かりません。料理パートも楽しめればもっと楽しめたのだろうと思います。