やん

キャプテン・フィリップスのやんのレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
4.5
正直非の打ち所はない作品。あとは作品として好きか嫌いかだけ。船長を演じたトム・ハンクスは勿論のこと、“いい顔”揃いの海賊の役者陣が秀逸。余計なサイドストーリー(たとえば家族の件とか)を排除し、作品のハイライトに象徴される簡潔かつテンポの良い脚本と演出。ブレることに必然性がある臨場感のあるカメラ。どれをとっても一級品。だからこそ実話ベースである為に結末は分かっていてもドキドキさせられる。ハリウッドのビッグバジェット作品にありがちな単なるプロパカンダ作品(むしろ、けっこう自国に対して否定的、もっと言えば強烈なダメだしだと思う)でないことも好感が持てる。ホント監督としてポール・グリーングラスは良い仕事するなぁ。相変わらず氏の作品の特徴と言っていいのブレブレのカメラに好みは別かれるだろうけど...。ただそのブレも今回ばかりは状況設定としてかなり有効に働いているので、「画面が揺れると酔う」という人も許してあげてください。内容自体はかなり重いけど、作品自体のクオリティは文句なく、誰でも安心して観れる1本。是非映画館の大きいスクリーンと5.1chの大音量での鑑賞をおすすめします。
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