友二朗

キャプテン・フィリップスの友二朗のレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
3.8
「君は漁師じゃない」

もはや映画ではない。
ただ凄惨な映像が画面に流れる。

とんでもない緊張感。
観ているだけの自分がピクリとも動けなかった。密室どころではない、完全に逃げ場のない海の上、アラバマ号。そして救命艇。

犯人4人の演技がどれも素晴らしかった。

20時間以上銃口を頭につけられる恐怖。
トムハンクスの額にきつく残る銃口の跡。

船長、副船長、機関室長という管理職が誰よりも自分を投げ打つ姿に感動。仕事に対する覚悟と誇りをこれでもかと感じる。いらん事する奴が一人もいなくてストレスフリーで見れた。

自分がソマリアに住んでいたらどうだろう。遥か大きい、そして暗い組織に睨まれていたらどうだろう。

アメリカ海軍、ソマリア海賊、ここまでハッキリと善悪が明確だからこそ心が掻き回される。何が正しいのかもうよく分からない。

映画を通して世界を見ることができた。
復職なされたフィリップスさんには脱帽。

世界よ平和であれ。
読んでくれてありがとう。

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「訓練通り隠れて見つかるなよ。人質に取られる。"夕食"という合言葉を聞くまで出てくるな」

「俺が今から船長だ」

「彼を撃つな
 船長の私を撃て」

「公海を通り アフリカの難民に
 食糧を運んでる ソマリアにも」
「リッチな国のソマリアへのお恵みだ」

「母船が来ないのは当然だ
 米海軍を恐れた」

「漁師が人を誘拐しなくても
 他に道はあるだろ?」
「アメリカならな
 アメリカなら..」

「心から愛してる
 もう一度君達に会いたい」
友二朗

友二朗