海賊に襲われた船長の苦労話。
前半はコンテナ船のスケール感や海賊側の一筋縄ではいかない襲撃にリアリティーがあって楽しめたのだけど、途中から海賊同士の小競り合いがしつこくてストレスが溜まった。海賊の頭が悪くて交渉が駆け引きになっていない。救命艇に移ってからは絵面が動かなくなり、代わりに海軍視点が増えるものの、誰もが役割として動いているだけなのでこちらの心までは動かされない。監督は本当はミリタリー物を撮りたかったんだなとしか思えなかった。
貧困にあえいだ漁師が海賊をするしかないという状況は不憫に思うし、2009年にそういうことが行われていたことはショッキングではあるが、登場人物の掘り下げがないのでドラマとしては見劣りする作品だった。トム・ハンクスの演技力でギリギリ成立した感じ。
