「午後のロードショー」にて。全く期待しないで見たのですが、予想を大きく上回る好作品でした。
ネタバレにならないように慎重にレビューしますと、まず「身代金の受け渡しをテレビで生中継させる」という劇場型犯罪が描かれるのですが、ここはほんのイントロダクション。警察が犯人と被害者との繋がりを捜査していくシークエンスは松本清張的で、明らかになる犯行の背景と動機は、まさに松本清張の社会派ミステリーに比する重厚さがありました。その反面、みんな××だったという、わりとトンデモなネタもあったりするからたまらない。
ところが本作はここでも終わらず、最後に残った「現金がいつすりかえられたのか」という謎を若手刑事の永瀬正敏が執念深く追い、その先にさらに意外な真実が明らかになる。
犯行計画には無理があって、ツッコミどころもありますが、サスペンスとしては上出来です。こういう忘れられた（？）良作を発掘してくれた午後ロードに感謝したい。
ちなみに午後ロードの映画を片っ端から録画して見るという生活を始めて10年近くになりますが、こういう想定外の出会いが極々まれにあるかやめられないのです（ホント、1年に1回あるかないかですが）。
