⭕️初見
2013年度キネマ旬報ベストテン1位獲得作品ということで鑑賞。
絶対自分の感覚ではチョイスして観ないだろうなと思うタイトルとサムネ、あらすじでどうかと思っていましたが、これは素晴らしい映画でした。
シンプルに観て良かった。
◼️単純に面白い内容。
認知症の母とハゲの息子の話なのだけど、まぁ映画にされる題材としてはありがちっちゃありがちで、徐々に記憶を無くしていってしまう母親というところには、まぁそれだけでちょっと思うところあるなぁって程度なのだけど、この映画はちょっと違った。
シンプルに状況の進み具合などを観察するだけでも面白くて、クスッと笑えるコメディタッチな要素も多く。
緩急の付け方も異常なまでに上手いので、役者陣の表情一つで感情を揺さぶられます。
冒頭では、単調に進んでいく展開かと思っていたのですが、主人公が漫画家で音楽家ということもあり、全然飽きない演出が多いし、中盤からはキャラ情報の開示(回想)などによって、さらに引き込まれる演出が良くされていました。
結局は、めっちゃ観やすいってところに尽きるかもしれないけど、細かなこだわりが非常に多いように感じられる。
◼️回想シーンへの運び方、戻り方が秀逸すぎる。
この映画を最も良くしているのは、この演出なのではないかと思わせられるくらい秀逸でした。
回想シーン自体は脚本面においても、重要なところでは必ず出てくるし、もちろん、回想中の世界観も良かったですね。
◼️総括
色々な要素があって、シンプルに映画としてめっちゃ優れているので是非観て欲しい一本。
《好きなシーン》
主人公を演じる岩松了の演技は本当にこの映画をよくしていて、全体を通してよかったのですが、やっぱ老人ホームにお母さんを入れた日の帰りの車でのシーン。
ここでの表情は、前後の演出も兼ね合ってめちゃめちゃ伝わってきます。素晴らしかった。