社会のダストダス

死霊館の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

死霊館(2013年製作の映画)
4.6
呪われそうで不穏なイメージビジュアルが魅力の死霊館シリーズ1作目。実話がベースになっており、主役のウォーレン夫妻も著名な心霊学者。ホラー映画で多分一番好きな作品。

血がブシャーと出たり人がグロテスクに死んだりしないため、割と全年齢向きな内容。実在の呪いの人形である(強烈にデフォルメされた)アナベル人形のデビュー作でもある。

ヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソン演じるウォーレン夫妻がとても素敵で、ホラー要素がなくてもドラマとして成立しそうなくらい。
前半は怪奇現象の被害となるペロン家の災難が主に描かれ、ウォーレン夫妻が調査に乗り出すのは中盤以降。
温度変化を探知してシャッターを切るカメラやUVライトを使ったりと今ほどハイテクじゃない70年代の調査方法も面白い。

ジャンルとしてはオカルトホラーなので、ホッケーマスクの怪人や子供を食べるピエロが襲ってくる感じの演出を期待すると少々物足りないかもしれない。人間の内面を侵食してくる悪魔との闘いを家族の絆を通して描いてるのは「SAW」や「アクアマン」など多彩なジャンルを成功させてるジェームズ・ワンらしさが出てる。

エンドロールが流れる場面で、事件当時の夫妻や被害一家の写真も出てくるので「そういえば、実話だったんだな…」と思い出す。

なお死霊館シリーズは作品の公開順と時系列が一致してないが、これから初めてシリーズ作品を見るという人も、公開順に観ていって問題ないと思われる。