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the fighting men’s chronicle エレファントカシマシ 劇場版のUKのレビュー・感想・評価

2.0
25年の歴史をまとめるのは容易ではないとはいえ、これはちょっとねぇ……。
EPIC期の衝撃はよく分かるけれども、出てくる証言者のほとんどがその頃の話に終始するのはバランスが歪すぎるのではないか。
ブレイクまでがひとつの物語でそれ以降をバッサリ、の構成は大胆というよりむしろ乱暴。

東芝期に思い入れがある者としては言及と資料映像がゼロに等しいのは寂しいばかりだ。後期の懊悩を余すとこなく見せてくれとは言わないまでも、「ガストロンジャー」誕生とその後のバンド回帰はターニングポイントとして挙げても良かろうに。
不遇の東芝期についての言及がないから、2007年の野音で「俺たちの明日」を歌いながら号泣する映像を見せられても唐突感が否めない。単なる「蔵出し映像」でしかなく、過去との連続性を持った「物語」になっていない。

バンドの練習風景の映像も、ただひたすらに宮本が説教をする、わかりやすく「面白い」姿を映しているばかりで『扉の向こう』のような真摯さに欠ける。そんなに第2の「すっとこどっこい」を狙いたいのか。
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