むるそー

不気味なものの肌に触れるのむるそーのレビュー・感想・評価

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)
4.4
父を亡くした少年、血の繋がらない兄、ポリプテルス、コンテンポラリーダンス、親友の彼女の死体、肌。

人の心は裸の状態で居続けると外界との衝突で擦り減ってしまうから、透明の膜を張っていて、心が通じ合ったように見えてもそれはお互いの膜同士が触れ合っているに過ぎない。そしてほんとうの核に触れようとすると壊れてしまう。2人のダンスが触れていないのにヌメヌメと絡み合っているような不気味なエロティシズムを放っているのは、それはもう触れ合っているのと何ら変わりないからなのかも。

触れ合っているようで触れ合っていない。触れ合っていないようで触れ合っている。僕自身も肌には触れられたくないけど、触れ合いたいという欲求はある。膜の存在を自覚しつつ、同時にそれを忘れたかのようなコミュニケーションを取る、そんなことは可能なの??
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