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小さいおうちのmocomocoのレビュー・感想・評価

小さいおうち(2013年製作の映画)
3.7
タイトルにもある赤い小さいおうちが何とも愛らしく印象に残る。奥様の松たか子と女中、黒木華の演技がとても良かった。
おばあちゃんが「長く生き過ぎたのー」と嗚咽する姿はコミカルに写るが、その心のうちにはどれほどの苦悩を抱えて続けていたのかと考えると涙が止まらなかった。

おばあちゃんの回顧録に孫が「戦時中にそんなぜいたくができるはずがない」とつっこみ、おばあちゃんがそれが事実と正すシーンがあるが、史実の中には他にも実際にその時代を生きた人にしか知り得ない事実がいくつもあるのだろう。だからこそ個人的な体験を語り伝えていくことは意義があるのだろう。

ただ、妻夫木聡のセリフで説明させる部分が多いのが気になったのと、最後の展開はいろいろ詰め込み過ぎで蛇足なように感じた。未開封の手紙はそのまま説明しないでおいた方が、より観客の心をつかむことができたのではなかろうか。
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