FukiIkeda

小さいおうちのFukiIkedaのレビュー・感想・評価

小さいおうち(2013年製作の映画)
4.2
昭和5年から、東京の中流階級の家族に仕える女中として山形から上京。そしてアメリカとの戦争に突入していく一般市民の様を描かれた作品。この映画を観てビックリしたことは、日本は当時とっても豊かでモダンで裕福だったということ。カルピスなんかもあったんですね。私達が教えられてきた戦争のイメージとは違い、アメリカとの戦争が始まる時には皆、希望と活気に満ちていたということ。誰もが東京でオリンピックで開かれると信じていた昭和10年。南京大虐殺の裏ではデパートでは大売出し。勝ち続けていた日本にとって戦争の勝利とは景気良く、お祭り騒ぎだったわけです。そんな中で始まる秘められた恋。
次第に戦況が悪化する中での普通の家族の生活。
ある日、突然、戦争はやってきて、景気のためだ、経済のためだ、あいつが悪い、こいつが悪いなんていって国民の士気を高め、若者の命や市民の命をいとも簡単に奪っていく様が、明るい家族の生活の中で突然起こる不幸。そのギャップに驚かされた。

あと、久石譲さんの音楽がまるでハウルで、倍賞千恵子さんの声と重なったシーンはソフィーかと思ってハウルの動く城を観てる錯覚に陥った…
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