dita

標的の村のditaのレビュー・感想・評価

標的の村(2013年製作の映画)
4.0
@第七藝術劇場  

「何故」を知る。沖縄の米軍基地、オスプレイ配備の問題について何故反対しているのかという住民の思いはニュースで流れない。悔しくて虚しくて涙が出た。ただ、一方の思いだけを知って感情論で考えるのは危険なので、国側の「何故」も知らなければならないと思う。

テレビの中の出来事、知らない土地での出来事で済まさない為に今回鑑賞したけど、高江の人たちだって自分と同じように日々の生活があるという当たり前のことを改めて知る。忌まわしい歴史を繰り返さない為に反対する、これも当然なんだろうけど、それ以前に自分たちの日々の生活を脅かされるからという根本的な怒りを理解しないと、いつまで経っても他人事からは抜け出せないなと思った。

生活レベルでの反対意見だけを知っても解決にはならないからこそ、じゃあ何故国は配備を進めるのか、そこも知りたいと思ったけど、住民と防衛省の話し合いのシーンは『ニッポン国vs泉南石綿村』で見たそれと全く同じだった。今回取り上げなかったたけかもしれないけど、国側は「何故」を何故説明しないのだろう。

あと、ベトナム村なんてものがあったことを全く知らず、あれは本当に酷いと思った。報酬をもらえるから村の人も容認しているとかそういうレベルで考えたら駄目だと思う。システムとして完全に狂っている。

色々考えなきゃと思いながら帰宅したら、佐賀知事オスプレイ配備合意のニュースが。ニュースについたコメントを読んで悲しくなる。自分の意見をまだまだはっきり言えない自分にも悲しくなる。もっと知ろう。もっと考えよう。
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