どすこい

ある愛へと続く旅のどすこいのレビュー・感想・評価

ある愛へと続く旅(2012年製作の映画)
4.0
マイベスト映画のひとつ「灼熱の魂」
初めて観た時の感動と言ったら、もう言葉にできない程のものでした。これほど濃厚で衝撃的なミステリー作品との出会いは決して多くはありません。

そんな映画の○梗Fさんのレビューで、内容が類似した作品として紹介されていた今作。


現在と過去を交互に映しながら進んでいく物語。
過去の舞台となっているのはボスニア・ヘルツェゴビナの首都であるサラエヴォという都市。「ボスニア紛争」と呼ばれる紛争が背景にあります。


イタリアで夫と一人息子の3人で暮らしているジェンマは、数年ぶりに旧友ゴイコからの連絡を受け、息子ピエトロと共に学生時代を過ごしたサラエヴォを訪れます。

そして回想に入り、卒業研究の一環としてサラエヴォを訪れたジェンマ。そこで後にピエトロの父となるディエゴと出会います。

正直、この辺の展開は退屈...笑

物語が中盤に差し掛かったところで、ようやくエンジンがかかってきます。
夫婦にとって大問題である○○問題と、前記したボスニア戦争が幸せだったの2人の人生を狂わせることに。

紛争が激化していくにつれて、かつて幸せの絶頂にいた夫婦の間に生まれていく亀裂。
最終的に何がジェンマとディエゴをそれぞれ別の道へと歩ませることになったのか?
前半とは打って変わって、息を飲む展開が繰り広げられます。もはや別の映画かと思うほどの緊張感!


そして終わりに近づいた頃...
これは...
救いがなさ過ぎる...
灼熱のあの衝撃にも匹敵すると言えるでしょう...想像すらしていなかった展開にただただ唖然...

戦争が生み出すのは怒りと悲しみ、負の連鎖だけ。この紛争も、これまでの歴史において繰り返されてきた争いのほんの一部にすぎない。


後半の目を見張る怒涛の展開、ラストの衝撃は疑う余地もなく素晴らしいです。
ただ、ジェンマとディエゴの馴れ初めはもう少しどうにかならなかったかなぁ、ということでこの点数で。

灼熱をご覧になられたことのある方はマストな作品です!
一見の価値あり!
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