ピヨ彦

舞妓はレディのピヨ彦のレビュー・感想・評価

舞妓はレディ(2014年製作の映画)
1.5
何の前知識もなく、たまたまBSで放送してたので見始めたのですが、冒頭でいきなり歌い始め、登場人物に言語学者がいるのでピンと来ました。
『舞妓はレディ』= 『My Fair Lady』ってことか!と。

そして、何度も「京都の雨は盆地に降るんやろか」みたいな歌を歌うのですが、これもMy Fair Ladyで、主人公のイライザが英語の訛りを矯正するためにひたすら言わされ続ける "The rain in Spain stays mainly in the plain."(スペインの雨は主に平野に降る)というセリフのオマージュなのだと気付きました。

これらの前提を知らないと、この作品、めちゃくちゃサムいミュージカル映画に映ってしまうのでは…と思いました。
ただでさえ邦画でミュージカルって、違和感なく観客をその世界に引き込むのは非常に難しいと感じているので。

そしてストーリーも、なんだか最後までメリハリがなくて、見終わった爽快感みたいなものが感じられませんでした。
主人公の成長ストーリーなら、もっと具体的に訛りが直ったシーンとか踊りや三味線が上手くなったシーンとか詳細に描けば良いのに、最後にほんの少し出てきただけで、果たして春子は本当に舞妓として成長したのだろうかと疑問が残りました。

上白石萌音さんはこの作品が映画初主演だったらしいですが、青森の純粋な少女の役がよく似合っていました。
歌もお芝居も上手だし、現在の彼女の活躍ぶりが納得できます。
単純に脚本が悪かった…。
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