サトタカ

ANON アノンのサトタカのレビュー・感想・評価

ANON アノン(2018年製作の映画)
3.0
アンドリュー・ニコル監督は『ガタカ』『トゥルーマン・ショー』の出来があまりにもよかったためついつい期待値を上げてしまうが、そこは堪えて逆に下げて観るくらいじゃないとガッカリの落差が大きくなりがち。ついついいやこれ攻殻機動隊で見たやつじゃんとかサイコパスで〜とか思ってはいけない。多少話に不自然さがあるように感じても流して、アマンダ・セイフライドの大きな瞳に魅了されようではありませんか。
ロバート・ロンゴ的なスーツ姿のメンズたちの物憂げな表情とか、モノクロに見えるコンクリート打ちっぱなしの壁とかテーブルとか、ガラスの灰皿とか、50年代みたいな流線型のフィンのついた車とか味わい深いですし。

それにしてもアマンダがクライブ・オーウェンみたいなおっさんと致すことになったり、全裸シーンがあったりするのは監督の趣味なのか?これやれば観客が喜ぶと思ってるのか知らないが、どうなんですかね?アマンダが喜んで、いや納得のうえでやってるんならいいんだけど。やたらセックスシーンを出してくる監督のマッチョイズムというか有害な男性性を感じてしまってモヤっとしてしまう。もうエロはそういうコンテンツがばっちりあるし、なんというかもっと心の機微を丁寧に描写するとか、おっさんと致すに至る何かしらの事情を匂わすとかあるんでないの?セックス駆動脚本みたいなのは…70年代の日活ロマンポルノじゃないんだから。

アマンダ・セーフライドのファンなもので、つい愚痴ってしまった…
サトタカ

サトタカ