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悪の法則のtaskのレビュー・感想・評価

悪の法則(2013年製作の映画)
4.8
最高でした!
やむを得ない事情で麻薬取引に首を突っ込んでしまった弁護士が、ある人物の策略で破滅していく話。
前半はダラダラとした会話劇が続きます。謎解きでもないし、退屈なくらい何も起こりません。
後半、ある出来事をきっかけに話が動き出します。動き出したことで、その前半の会話が主人公への助言、警告であったことが徐々にわかってきます。会話していた場所、その場のインテリア、登場人物のなにげない行動など、全てがそれを暗示していたことがわかってきます。気付いた時にはすでに遅すぎて、「悪の法則」に取り込まれてしまうのです。
セリフは詩的で文学的で情緒的、登場人物一人一人のキャラがたっていて、どんどん引き込まれていきます。
結局、話の全貌はわからない部分が多く残ります。弁護士が麻薬取引に手を染めた理由もわからないし、組織がどういったものなのか、その中で弁護士がどういう役割を担っていたのかも良く分からないため、そこが気になる人にはピンとこないのかもしれません。ですが、そのことはこの物語においてあまり重要なことではなく、むしろそこをブラックボックスにしておくことで、得たいの知れない悪としての表現が際立っているのだと思います。
とにかく奥が深く、何度もみたくなる傑作だと思います。
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