このレビューはネタバレを含みます
「結果」はそれが起きる5手前くらいでもう確定している。で、現実にはそれを回避する奇策だったり飛び道具だったり裏技だったりスーパーマンだったりなんてものは存在しない。
「悪」側もヒーロー物のヴィランのような分かりやすい悪はいない。ていうか世界そのものがだいぶ悪だから一個人がどうこうできる問題じゃない。死ぬしかない。
末端の構成員達も悪行に意味とか理由を見出さない。ドラム缶の遺体よろしくただ「そういうもの」ってだけ。
あなたにとってあなたは世界の中心かもだけど、そんなあなたがいてもいなくても、何かしても何もしなくても世界は歯車のように回り続ける。それにすり潰されるのを待つしかないのです。ていう話。ほとんど平家物語。
大変非情で辛いけどそりゃそうだよなってことに改めて気がつかせてくれる良作。