ウルフガー

悪の法則のウルフガーのレビュー・感想・評価

悪の法則(2013年製作の映画)
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衛星チャンネルで放送されたものを視聴(録画)。凄いなとは思うが、そこまで面白いという感じではなかった。この凄さはコーマック・マッカーシーの物語とセリフまわしによるところが大きく、リドリー・スコットの演出との相乗効果がもっとあるかと思ったらそこまででもない。しかし役者は豪華で見応えはある。

ハリウッド映画にしては珍しく何かしながら会話するということをせず、会話をするシーンは会話だけをしている。という演出になっている。つまり会話が面白いからそちらに集中させるという意図。しかしリドリー・スコットの持ち味がこれではあまり活きない、というのが私の印象。話は面白いので保つが。

あと登場人物を最初から突き放しすぎていて、後半もっと観客も巻き込んで追い詰めてくれたら最高だったのだが、観客も人物から距離を取ることが出来ているので意外に緊張感が迫ってこない。銃撃戦も誰が撃たれても生き残ってもどうでもいい感じ。この匙加減で良かったのか? と思う。難しいところだけど。

一言で言うなら映画的面白さが希薄、というところか。話は面白いのに。リドリー・スコットがそれを尊重しすぎてなんか遠慮しちゃってるんだよね。これもコーエン兄弟が監督してたらあるいはもっと面白かったかも。
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