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セインツ -約束の果て-のpenのレビュー・感想・評価

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)
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廃墟と化した家に居つく男。二人が生きる別々の時間とすれ違い。手紙。音楽。車。後年の作品にも登場する要素が次々と出てきて、堪らなかった。
手紙には真実のみが書かれているが、それが届くかどうかはまた別の話。だから切ない。
写真は消せない過去(新聞記事の顔写真)、愛しい思い出(死んだ友との2ショット)、いまを生きるよすが(愛する人の横顔)。多重な意味を持ち、二人のすれ違いの幅は大きく広がって、後に狭まっていく。
時間の省略がフラッシュバックのように入り込む過去の回想の効果を一層高めてくれている。

ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラはもちろんだが、二人を繋ぐキース・キャラダインにドキドキする。そして二人の間に割り込むようで全然割り込めてないベン・フォスターが、また微妙に蚊帳の外で良い。しかし蚊帳の外だからこそ、最後に抱きかかえて外に出られる。

デヴィッド・ロウリー監督の現状観られる作品はこれで全部ようやく観た。どれも好きだ。
今回は真夜中のマズルフラッシュが最高。
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