shibamike

殺人!のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

殺人!(1930年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

柴三毛「Murderのシーン、まぁだぁ? 」
と殺人シーンを勿体ぶる作品も世の中に少なくない中、本作では初っ端からMurder後の殺人現場シーンから始まる。
こりゃまぁだぁまぁだぁ面白くなるぜ…と自分が緊張で汗を拭う中、終わってみるとサスペンスのてんやわんやでお腹いっぱい。
(最近、少食?夏バテ?まだ梅雨だよ?死ぬの?)

序盤に殺人事件容疑者(美人女優)の裁判シーンがあるのだけれど、陪審員12名による緊迫の密室審議シーンが、
12 Angry Menさながらで唖然(本作では女性も数名いるよ)。
自分も12人の輪に入り、13番目の断罪人として(12人しかいらねえっつーの!パイレーツだっちゅーの!👙)白紙のメモ用紙に「Not Guilty」と書き込んで、周囲から
「Oh, Shibamikeサン!ナニガ納得デキないデスカぁあ?証拠、タクサン揃ってマスネェ!あの女優が殺人犯ですねぇ!Fuck!」
とみんなに詰め寄られる中、
柴三毛「彼女が殺人を犯したという確実な証拠はありません。疑わしきは罰せず。近代文明人の一員として、私は彼女の無罪を信じます。」
と言って、審議をかき乱したい。という妄想をしながら自分のカッコ良さに自分でウットリしている間に、ガーエーの方ではあっさりと全員一致で女優に有罪判決を下しちゃう。
だけれども!有罪を不審に思った主人公が独自に調査していったところ…ありゃりゃりゃりゃりゃ!というお話。

陪審員のシーンなんか序の口で、どんどん映画はシーンを移していく。劇場舞台裏、刑務所、殺人現場再訪、キッズだらけの民宿、サーカスでの空中ブランコ。
めまぐるしい変遷の連続に「ひ…ヒ、ヒッチコックさん、ちょっと待って!」
と泣きを入れたくなった。
(ウィキペディアによると、ヒッチコックは序盤の殺人現場の通行人で出演とか。気付くかっつーの!パイレーツだっちゅーの!👙)

終盤に主人公は、真犯人が容疑者の女優ではなく、別の俳優だと見抜く。
犯人である俳優を追い詰めるために、主人公が考えた一案が凄い。今回の殺人事件の再現劇をその俳優に殺人犯として演じさせやうとするのである(主人公も舞台業界の関係者)。
バニラシェイクスペアリブという人が考えたオムレットという洋菓子にさういうシーン(ねずみとり)があるらしく、あまりの面白さに自分は映画どころではなく、「僕もそれやりたい!僕もそれやりたい!真犯人に殺人シーン演じさせたい!」という突然の幼児退行が自身を襲い、ソーシャルディスタンスを確保した劇場内で手足をジタバタさせて駄々をこねたくて仕方がなかった。僕もやりたい!
実際、これ考えた沙翁ヤヴァすぎんよ。超絶面白いし、同時に超絶性格悪さう。無罪面してる真犯人に殺人シーンの再現させるって、考えただけで西野カナばりに震える。

で、結局そのねずみとり劇中劇では、真犯人の俳優はギリギリ耐えて逃げ切り、自分は盛大にズッコケたのだけれど、クライマックスが手に汗握る感じだったので、お腹いっぱいで万々歳です。
(最近、少食?夏バテ?以下、略)
西野カナだっちゅーの👙

柴三毛 心の一句
「だっちゅーの ヒッチコック だっちゅーの」
(季語:ヒッチコック→巨乳→嬉しい→夏)
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