こたつむり

ワイルド・パーティーのこたつむりのレビュー・感想・評価

ワイルド・パーティー(1970年製作の映画)
3.7
♪ 恋もキスもセクシーも
  少し待って 君と僕は
  そして down down down 
  そう思うだろう?

どどどどどっ。
そんな表現がしたくなる程にテンポの良い、というか速すぎて目が回りそうな物語でした。いやぁ。なんだかスゴいものを観た気がします。

端的に言えば、芸能界の裏側を描いた物語。
煌びやかな世界の人たちは、パーティ、アルコール、ドラッグ、セックス…と快楽に溺れているのだ、なんて言いたいのでしょうか。日本で言えば夜の六本木。詳しくは知りませんけど。

また、当時の風潮も大きく影響しています。
所謂、ヒッピー文化。髪を長くして、ズボンの裾が広がっていて、大麻をプカプカとふかして、二言目には「フリー」。そんな世界観です。僕は生まれていなかったので分かりませんが。

でも、本作のスゴみはそこではなく。
後半20分の怒涛の展開。そこまでに描かれる、オパーイがポローン的な展開は“前菜”に過ぎません。

とても贅沢な話ですが、ゆえにジェットコースターのような落差が生まれるわけで。時代的に“猛スピードで2回転”とかの技術はないんですが、浮遊する気持ちになるのは確実です。

しかも、そこで終われば“普通”なんですが、その後に待ち構えている説教(まさに、そうとしか言えない)は「お前が言うな」レベル。はたして物語前半のボイーンがバイーンは何だったのか。目の保養かな。

そもそも、この予兆は冒頭から示されていました。誰に言い訳しているのか分からない“注釈”から始まるのです。こんな作品は前代未聞。カルト映画として評価されたのも納得ですね。

まあ、そんなわけで。
まさに「怪作」の評が相応しい作品。
でも、こういう作品が許容されている社会は“遊び心”が満載で素敵だと思うので、自分の幅を広げるような気持ちで臨んでもらいたいものです。

勿論、僕もそんな姿勢でした。
エロ的な部分に期待して臨んだわけじゃないのです。本当です。信じてください…ちなみに大きいだけじゃなくて張りが凄いんですよ。げふんげふん。
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