まーしー

ネゴシエーターのまーしーのレビュー・感想・評価

ネゴシエーター(1997年製作の映画)
3.0
エディ・マーフィが犯人との交渉役(ネゴシエーター)を演じるポリス・アクション。
と言っても、犯人と交渉するシーンは、それほど多くない。
それもそのはず。日ごろから多弁なエディ・マーフィが、シリアスな心理戦を演じるのは似合わない。
結局のところ、90年代の刑事アクションという表現が相応しい。
CGに頼らず、実際に車を破壊し、大量の火薬を使って爆発させる——同年代の他の作品にも散見される、お決まりの内容だったと言えるだろう。

ストーリーは、ロス市警のスコット刑事(エディ・マーフィ)が、宝石強盗犯を追うというもの。
特に、犯人が乗った路面電車とスコットたちの車のチェイスは、本作のハイライトの1つ。玩具のように行き交う車がクラッシュ、横転していく様子は、観ていて心地よさすらある。

エディ・マーフィ主演作品らしく、コメディタッチな描写も。
お洒落なレストランでも、下品な話題を大声で喋り続けるところは、いかにも彼らしい。
犯人の追跡劇だけでなく、ところどころ脱力するシーンがあって良かった。

タイトルから、犯人との手に汗握る心理戦を期待してはならない。
『ビバリーヒルズ・コップ』のように、型破りな敏腕刑事が犯人を追うオーソドックスなアクション映画として、本作を楽しむべきだろう。