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アナと雪の女王のrensaurusのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
4.7
『真実の愛』は「自分より相手を想うこと」と解釈できることから、「姉妹愛」も『真実の愛』であるということを高らかに示した大大大傑作。それだけではなく、孤独、自己欺瞞、愛情、自由、閉ざした心と開いた心など、隠された普遍的なメッセージにハッと気付きを得られる、時代を超える名作。

扉に関わる描写はとても多く、『Love is an open door とびら開けて』では、心の扉を開くことから愛情が始まることを示したのち、『Let It Go ありのままで』では絶望や孤独に根差した自由を「少しも寒くない」と扉を閉じる形で表現している。

また、トロールが歌う『Fixer-Upper 愛さえあれば』では、恐怖、ストレス、不安などで人は間違いをしてしまうし、人は本質的には変わらないが、愛情があればそれらを補填することができると教えてくれる。

エルサは、周りと違う個性・能力である魔法を制御しようとした結果、いつも抑圧を感じて『Frozen Heart 氷の心』を抱えてしまった。最後はこれを『愛』を持って受け入れることで氷の心の雪が解け、心を開くことができるようになった。また、最後にスケートリンクを作って国民を喜ばせることができたように、個性や能力は誰かのためにもなるのだ。

オラフも、コメディ、ファンタジー、マスコットとしての存在にとどまらず、アナとエルサの思い出や絆を表す存在であること、創造主であるエルサの人格を踏襲していることなどを考えると映画がより味わい深くなる。

どこを取っても本当に素晴らしく、ディズニー精神の結晶のような作品。
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